震災や台風の被害があった地域で、住民が避難したあとの住宅を狙って空き巣や盗難が増えています。

自民、公明両党は、熊本地震で倒壊した家屋や留守宅などで空き巣被害が多発していることを受け、被災地の窃盗犯罪を厳罰化する検討に入った。「災害窃盗罪」を新設する案が浮上している。  

熊本地震の被災地では、倒壊したり戸締まりができなくなったりした家屋や、住民が避難して無人となったアパートなどから、金銭や家電が盗まれる事例が相次いでいる。熊本県では4月14日の前震以降、40件超の被害が確認された。

水害に襲われた茨城県常総市内で空き巣の被害が相次いでいる。常総署によると、11、12両日で計十数件の被害が届けられたという。被害に遭った人たちは、「水害に追い打ちをかける行為で許せない」と憤っている。

このように、災害の後には非情とも言えるような窃盗や盗難などの犯罪が数多く起こっています。

これらの犯罪は、どうしたら防ぐことができるのでしょうか。私たちにできることは一体何なんでしょうか。

災害時における警察の働き

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災害時には、もちろん警察もパトロールなどを重点的に行っています。

そこで、茨城県常総市で起こった豪雨災害の際に警察庁がまとめた資料をもとに、警察の防犯対策についてみていきたいと思います。

警察による災害時における防犯対策

国家公安委員会と警察庁は防災業務計画の中で、都道府県警察の取るべき措置として以下の2つを挙げています。

  1. 被災後の無人化した住宅街、商店街等における 窃盗等を防止するため、被災地及びその周辺に おけるパトロールの強化、避難所等の定期的な 巡回等を実施。
  2. 被災地において発生が予想される悪質商法等 の生活経済事犯、知能犯等の予防・取締りを実施。

茨城県常総市における窃盗被害の発生状況

平成27年9月関東・東北豪雨は、2015年(平成27年)9月9日から11日にかけて発生した豪雨災害。

9月7日に発生した台風18号は9月9日に東海地方へ上陸したのち、同日夜に日本海で温帯低気圧になった。この台風による直接的な被害は大きくなかったものの、日本海を北東に進む温帯低気圧に太平洋上から湿った暖かい空気が流れ込み、日本の東の海上から日本列島に接近していた台風17号から吹き込む湿った風とぶつかったことで線状降水帯が発生。関東地方北部から東北地方南部を中心として24時間雨量が300ミリ以上の豪雨とそれに伴う大規模な被害をもたらした。

この茨城県常総市における窃盗被害の発生状況(平成27年9/10~11/26(78日間))は以下の通りです。

侵入窃盗23件

  • 空き巣19件
  • 倉庫荒らし1件
  • 事務所荒らし2件
  • 出店荒らし1件

非侵入窃盗16件

  • 車上狙い3件
  • 自動車盗2件
  • 自転車盗1件
  • 部品狙い2件
  • その他8件

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画像引用:茨城県常総市における 窃盗被害の発生状況と防犯対策の実施状況等

常総市における防犯対策の実施状況

茨城県警は常総市において以下のような防犯対策を行いました。

  • 9月11日 被災地のパトカーなどによるパトロールを開始。避難所で女性警察官等による被災者支援を開始
  • 9月14日 県民への地域安全情報メール(侵入盗対策)を発信
  • 9月16日 避難所で防犯チラシ(侵入盗対策)の配布開始
  • 9月17日 FMラジオ、防災無線を活用した防犯広報を実施
  • 9月18日 避難所、市役所で防犯チラシ(悪徳商法対策)の配布開始

また、ボランティアによる防犯対策も行われました。

  • 警備業者による防犯パトロール 9/16~24
    茨城県警備業協会の 会員(9業者)が防犯パトロールを実施
  • 消防団による防犯パトロール 9/16~30
    隣接市の守谷市消防 団が防犯パトロールを実施

私たちができる防犯対策

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特に大規模水害の場合、泥水が大量に流入し上下水道の普及が遅れます。

その影響で、住民はなかなか自宅に帰ることができず、その間に空き巣被害が増えてしまうと言う現状があります。

また、被災地では地元の警察は被災者の捜索などに駆り出され、防犯に手を回すための人材が不足してしまいます。そして、災害により施錠のできない建物が増えることも空き巣被害が増加する原因となっています。

「避難所にいます」と言う貼り紙の是非

玄関のドアなどに「〇〇避難所にいます」や「家族全員無事です、〇〇の親戚のところにいます」などの安否確認の紙を貼りだすことで、住人の生存が確認できるのですが、その反面、不在にしていることもわかってしまいますので、犯罪者を呼び込むことにも繋がってしまいます。

空き巣は、玄関のドアに鍵がかかっていても、その家が不在とわかれば窓を割ったりして侵入してきます。

不審者や他県の車のナンバーに注意する

空き巣は必ず前もって下見をして、住人の不在が確実で侵入できそうな家をあらかじめ目ぼしをつけて、それから空き巣をします。

中には行き当たりばったりで犯罪行為をする場合もありますが、大抵の場合には犯行の前に下見をするそうです。

そこで、重要なのは地域住民の大勢の「目」です。

  • 普段、見かけないような人がいたら一声かける
  • 他県のナンバーの車を見たら、ナンバーを控えておく

防犯フィルムなどの工夫をする

空き巣は、その家の住人が不在とわかれば玄関のドアの鍵がかかっていても、窓などを割って侵入してきます。

そこで、私たちができる最も効果的な手段は「時間をかせぐ」ことです。

犯罪者は、その行為をする際に時間がかかることを嫌います。窓に防犯フィルムなどを貼っておくと、窓が割れにくくなり空き巣は窓のカギを開けにくくなります。

貴重品は持ち出し、外から見えるところに出しっぱなしにしない

防犯の基本は戸締りなのですが、それでも外から見て、空き巣が侵入したくなるようなものを見えるところに置かないようにしましょう。

金目のものがありそうな家と、なさそうな家、どちらをターゲットにするかと言えばもちろん「ありそうな家」です。

避難するときは、まずは人命第一ですが、時間に余裕があるのであれば、貴重品や空き巣のターゲットになりそうなものは外から見えないところに置くようにしましょう。

警備会社のセキュリティを契約する

民間の警備会社は人家への侵入や火災などの緊急時に信号をキャッチし、速やかに警備員が見回りに来てくれます。

短期間の停電であれば、予備電源に切り替わりホームセキュリティが作動します。

大規模災害で車が通れないほど道路が崩壊してしまったら警備員も来ることができないかもしれませんが、ライフラインの中でも復旧の早い電気が復活すれば、ホームセキュリティが守ってくれます。

また、今ではインターネット回線や電話線を使って異常信号を送るシステムもありますので、停電や断線でも短期間であればホームセキュリティは作動しますので安心です。

ホームセキュリティにかかる初期費用が無料なプランもありますので、プランやコスト面などをしっかりと確認しておきましょう。

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災害時に空き巣や盗難被害に遭わないようにするために、私たちができること【まとめ】

警察や消防などの防犯対策に期待することも間違いではありませんが、何よりも自分たちで防犯対策をすることも重要です。

  • 不審者や不審な車に注意する
  • 防犯フィルムなどを窓に貼って、窓ガラスを割られるのを防ぐ
  • 貴重品などを外から見えるところに置かない
  • 警備会社を検討する

できることから少しずつ、自分でできる防犯対策をしっかり取るようにしましょう。