あなたの自宅近くの川、職場の近くや取引先から見える川、通勤通学途中で見える川、その川が台風やゲリラ豪雨で氾濫したとしたら、そのときあなたはどう対処したらいいのでしょうか?また事前にできる準備にはどのようなものがあるのでしょうか?

川が氾濫(水害)するとどうなるのか?

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日本全国で大小合わせて「川」は約60,000以上も存在しています。そして、毎年のようにどこかの川が台風やゲリラ豪雨で氾濫をしています。

では、川が氾濫するとどのような水害が起こるのでしょうか?

水害はどれくらい起きているのか?

政府広報によると、全国にある1,742市区町村(平成25年末)のうち、平成16年から平成25年の10年間で一度も川の氾濫などの水害が起きていない市町村は、わずか3.2%にあたる55市町村しかありません。

さらに残り半数以上の53.1%を占める925市町村では10年以内に10回以上の水害が発生しています。

画像引用元:政府広報オンライン「暮らしのお役立ち情報

堤防が決壊して川が氾濫するとどう言った被害が出るのか?

国土交通省は平成25年度の日本全国で起こった水害により被害をまとめています。その発表によると、被害額は全国で約4,100億円で、これは過去10年間で4番目にあたる被害額です。

また、被害建物棟数は全国で約44,000棟と、こちらも過去10年間で4番目の被害となっています。

平成25年台風18号による被害

京都や滋賀、福井で被害の出た台風18号による水害の被害額が1,600億円、桂川では嵐山地区で家屋が浸水したり、渡月橋等の周辺の観光施設等に浸水被害が発生しました。

平成25年台風26号による被害

東京都大島町では土石流が発生し、土砂災害危険区域の範囲外でも被害が生じた他、大量に発生した流木により被害が拡大し、死者36 名、行方不明者3名にのぼるなど激甚な被害が発生しました。

堤防の決壊、川の氾濫にどう備えるか?その対策とは?

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災害時に覚えておきたい心得として「自助」と言う言葉があります。

これは、「自分の身は自分で守る」と言う意味があり、川が氾濫したときなどの水害の場合にも当てはまりますので覚えておきましょう。それでは、実際に川が氾濫した際にどう備えるかを考えていきましょう。

ハザードマップで氾濫する可能性が高い地域を確認しておく

自分の住む町や職場の近くで川が氾濫する場合、どのあたりが危険でどこに避難すれば安全に逃げることができるのかを、自治体が管理しているハザードマップで確認しておくことが重要です。

通常、自治体では窓口でもホームページでもハザードマップを公開していますので、実際に水害が起こる前に確認しておきましょう。

<参考記事>

ハザードマップには、川が氾濫した場合にどの地域がどれくらいの浸水が起こるのかを地図上に表示しています。自宅や職場が高台にある場合でも、下水などの排水処理機能が降水量を上回ると浸水する可能性もありますので必ず確認をしておきましょう。

また、地下室や地下駐車場などは浸水する可能性が高いので、こちらも注意が必要です。

河川の氾濫情報や防災情報などは各自治体のTwitterアカウントからも発信されますので、お住まいの自治体のTwitterアカウントはチェックしておきましょう。

<参考記事 1>

<参考記事 2>

家族で情報を共有しておく

川が氾濫したとき、いかに安全に避難するかを家族で情報を共有しておくことが重要です。

安全に避難するためには、避難場所の確認、避難所までの経路、避難方法などをハザードマップを使って確認しておきましょう。

そして、緊急の際の連絡先、連絡が取れない場合の行動なども共有して、できればメモなどに残して財布の中や携帯・スマートフォンに残しておくようにしましょう。

非常時に持ちだす「最低限必要なもの」を準備しておく

川が氾濫して避難しなければいけなくなったとき、避難所へ持っていく最低限の持ちだしを準備しておくことが必要です。

実際に必要な最低限のものは以下の通りです。

  • 食料や飲料(飲料水、レトルト食品、缶詰、パンなど)
  • 日用品(懐中電灯、ラジオ、缶切り、充電器、ライターなどの着火剤、ラップ、筆記用具、メガネなど)
  • 衣類(洋服、下着、靴、雨具、タオルなど)
  • 貴重品(現金、預貯金通帳、印鑑、健康保険証、身分証など)
  • 医薬品(常備薬、救急キット、生理用品など)

食料や飲料、日用品や医薬品の一部は非常袋にセットで保管しておくといいでしょう。また、女性用の生理用品や大人用オムツなども多めに準備しておくと安心できます。

<参考記事 1>

<参考記事 2>

災害用伝言サービスの利用方法を覚えておく

地震や水害などのおおきな災害が発生すると、その地域への電話が殺到し、電話回線が混雑し繋がりにくくなります。そう言った場合にスムーズに家族や関係者と連絡を取るために「災害用伝言サービス」を利用します。

災害用伝言サービスは4つのサービスに分かれていて、用途に合わせて使い分けることができます。

  • 災害用伝言ダイヤル(171)
  • 災害用伝言版
  • 災害用伝言版(Web171)
  • 災害用音声お届けサービス

災害用伝言ダイヤル(171)の利用方法

災害用伝言ダイヤルは、固定電話、携帯電話・PHS等の電話番号宛に安否情報(伝言)を音声で録音(登録)し、全国からその音声を再生(確認)することができます。その利用方法は以下の通りです。

  1. 「171」をダイヤルします。
  2. ガイダンスに従って、録音の場合は 1 を、再生の場合は 2 をダイヤルします。
    ※暗証番号を付けて録音・再生を行うこともできます
  3. ガイダンスに従って、連絡をとりたい方の電話番号をダイヤルします。
    ※03等の市外局番で始まる電話番号の場合、市外局番から ダイヤルします
  4. 伝言を録音・再生することができます。

災害用伝言ダイヤルは、加入電話(プッシュ回線、ダイヤル回線)、公衆電話、ISDN、携帯電話・PHS、IP電話から利用できますが(詳細はご利用の電話会社にお問い合わせください)、伝言の録音・再生は、被災地の方の電話番号宛に行う必要があり、この電話番号は03等の市外局番で始まる電話番号、携帯電話・PHSの電話番号、IP電話の電話番号が対象です。

また、利用には注意点がいくつかあります。

  • 伝言録音時間は、1伝言当たり30秒以内です。
  • 1電話番号当たり、1~20伝言まで登録できます。
    (登録できる伝言数を超えると、古い伝言から削除されます)
  • 伝言の保存時間は、登録してから災害用伝言ダイヤル(171)の提供期間が終了するまでであり、保存時間を過ぎると消去されます。
    (体験利用時は体験利用期間終了後に消去されます)

詳細はNTTのホームページをご覧ください。

災害用伝言版の利用方法

携帯電話・PHSのインターネット接続機能で、被災地の方が伝言を文字によって登録し、携帯電話・PHS番号をもとにして全国から伝言を確認できます(スマートフォンでのご利用については、各社のページでご確認下さい)。その利用方法は以下の通りです。

  1. 携帯電話・PHSから災害用伝言板にアクセスします。
    ※災害時に各社の公式サイトのトップ画面に災害用伝言板の案内が表示されます。体験利用をする際はメニューリスト内からアクセスできます
  2. 「災害用伝言板」の中の「登録」を選択します。
    ※登録は被災地域内の携帯電話・PHSからみみアクセスが可能です
  3. 現在の状態について「無事です。」等の選択肢から選び、100文字以内のコメントを入力します。
    ※状態の複数選択や、コメントのみの利用も可能です
  4. 最後に「登録」を押して、伝言板への登録が完了となります。
  5. 確認の場合、災害用伝言版にアクセスし「確認」を押して、安否を確認したい方の携帯電話・PHS番号を入力し「検索」を押します。すると一覧が出ますので、その中から確認したい伝言を選択します。

利用には注意点がいくつかあります。

  • 1電話番号当たり、伝言の登録は最大10件までです。
  • 伝言の保存期間は、1つの災害での災害用伝言板を終了するまでです。
  • 災害用伝言板の利用料・パケット通信料は無料ですが、他社の災害用伝言板のアクセスにはパケット通信料が必要です。

災害用伝言ダイヤル(Web171)の利用方法

パソコンやスマートフォン等から固定電話や携帯電話・PHSの電話番号を入力して安否情報(伝言)の登録、確認を行うことができます。その利用方法は以下の通りです。

  1. URL:https://www.web171.jp/へアクセスします。
  2. 連絡をとりたい方の固定電話番号や携帯電話番号を入力します。
  3. 伝言を登録・確認することができます。
    ※事前に設定することで閲覧者を限定することもできます

利用には注意点がいくつかあります。

  • 文字(テキスト)は、1伝言あたり全角100文字まで。
  • 1電話番号当たり、20伝言まで蓄積できます。
  • 伝言の保存時間は、サービス提供終了までで、最大6ヶ月程度です。
  • 事前に設定を行うことで、登録した内容をメールまたは電話(人工音声)にて自動的に通知することができます。
  • 災害用伝言板(web171)の利用料は無料ですが、インターネット接続費用やプロバイダー利用料および、ダイヤルアップ接続の場合は通信料等が別途必要となります。
  • 災害用伝言板(web171)は、NTT(東西)が別に提供している「災害用伝言ダイヤル」と連携しているため、それぞれで登録された伝言内容を、相互に確認ができます。

災害用音声お届けサービスの利用方法

災害用音声お届けサービスは、専用アプリをインストールしたスマートフォン等の対応端末から音声メッセージを送信することができるサービスで、現在、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンク、ワイモバイルの各社でサービス提供されています。なお、平成25年4月1日より災害用音声お届けサービスを提供している通信事業者間で音声メッセージの送付が可能になりました。その利用方法は以下の通りです。

以下のアプリケーションを各社のアプリマーケットやGoogle Play(旧Android Market)、Apple Storeからダウンロードして下さい。

  • NTTドコモ 「災害用キット」
  • KDDI(au) 「au災害対策」
  • ソフトバンク 「災害用伝言板」
  • ワイモバイル 「災害用伝言板」

利用には注意点がいくつかあります。

  • 音声は、1伝言あたり30秒まで
  • 1電話番号当たり、20伝言まで蓄積できます。
  • 伝言は、受信者がダウンロードした場合に削除されます。(ダウンロードしていない場合でも一定期間経過後に削除されます。)

自治体などの公的機関が発表する情報を素早くキャッチする

日頃から天候の急変や台風情報などには注意しておきましょう。

そして、実際に堤防が決壊したり川が氾濫する恐れのある場合には、情報を待つのではなく自分からキャッチすることが基本です。気象庁が発表する「気象情報や防災情報」、国土交通省が発表する「川の防災情報」、自治体が発表する「避難勧告」などには特に注意を払いましょう。

各自治体が管理・運営しているTwitterアカウントも日頃からチェックして、フォローしておくとさらに安心です。

<参考記事 1>

<参考記事 2>

避難勧告が発令されたら

自治体から避難勧告が発令されたら、できるだけ早く避難を始めましょう。

さらに状況が悪化し、避難指示が発令された場合には速やかに避難をしましょう。避難勧告や避難指示が出ていなくても、危険が迫っていると感じた場合には早めに安全な場所に避難しましょう。

避難するときの注意点

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避難するときに注意しなければいけない点が3つあります。

浸水前に避難を始める

堤防が決壊したり川が氾濫したり、または下水の排水処理が間に合わず道路が水浸しになりそうなときは、浸水前に避難を始めるようにしましょう。

浸水が始まると、低い水位でも濁った水の影響で地面が見えなくなります。

下水の逆流などでマンホールの蓋が外れていたり、側溝や用水路との境目がわからなかったりすると落ちてケガや死亡してしまう危険がありますので、避難勧告が出ていなくても危険だと感じたら早めに安全な場所に避難するようにしましょう。その場合、自宅の2階や高い建物に避難するようにしましょう。

車で避難しない

自動車に水が入り込むと機械系統がショートしエンジンが止まってしまいます。水圧でドアが開かなくなってしまうと窓も開かなくなり閉じ込められてしまう場合があり危険です。

特別な場合を除いては車での避難は避けましょう。もし自動車での避難がやむを得ない場合には閉じ込められたときでも脱出できるように、窓を割る専用ハンマーを車内に備えておきましょう。

橋や川の周りを通らない

川が増水している場合には川の流れが速く、橋が壊れたり流されたりして非常に危険ですので、川のそばには絶対に近寄らないようにしましょう。また、大雨のときに川や用水路、農地の様子を見に行って、誤って川や用水路に流されるといった被害が多く見られます。

風雨が激しくなると、特に農業をされている方は心配になるかもしれませんが、川や用水路を見に行くのは絶対にやめましょう。